愛情不足です!カウンセラーに言われてショックだった言葉①

不登校を子どもや親のせいにするな!自分の力量を疑え!

※ 全てのスクールカウンセラーさんを否定する記事ではありません。
※ ただ、1人ひとりの子どもの状態を確認せず、一般的な対応の助言しかしないスクールカウンセラーがいることも理解していただきたいと思っています。

1.不登校の原因は自分の子育てだったんだ・・・

不登校の子どもをもつお母さんがスクールカウンセラーに相談にいきます。

「子どもが不登校になってしまいました。」
「どうしたら良いのでしょうか?」

すると、そのスクールカウンセラーはこう答えたそうです。

「不登校は親の愛情不足から来るんですよ!」
「もっとお子さんを愛してあげて下さい!」
「仕事も辞めたほうがいいのではないでしょうか?」

夫婦共働きだったお母さんは、自分の子育てを振り返ったそうです。

もちろん、子どもが嫌いだから仕事をしていたわけではありません。

しかし、仕事の為に子どもと接する時間が少なくなったことは事実です。

「子どもが不登校になった原因は自分の子育てだったんだ・・・。」

お母さんは、このように思ったそうです。

2.不登校の原因を子どもや親のせいにする学校

不登校の原因を「親の子育て」のせいにするスクールカウンセラーや教師は少なくありません。

もちろん、親の子育てが子どもの性格に影響することは否定しません。

しかし、25年間教員として働き、その後、公認心理師として教育相談を行っている私はこのように考えています。

「もし、不登校の原因が『親』なら、教師やカウンセラーが何をしても不登校は解決しない!」
「唯一の解決方法は親が変わることになってしまう。」
「しかし、私は『親が変わらない不登校』を何人も解決してきた!」
「他のクラスで不登校だった子が私のクラスで学校に戻ってきた!」
「親は対応や子育てを変えていなくても、子どもは登校できるようになった!」
「ここから考えられるのは、不登校の原因が『親』ではないと言う事だ!」

不登校の原因を「親の子育て」のせいにするのは簡単です。

そうすれば、教師やカウンセラーは「自分は悪くない」と思えるからです。

本当の原因は学校にあるのに・・・・。

3.親の愛情を確かめるために不登校になった?

スクールカウンセラーは不登校の原因が「親の子育て」にあるという理由をこう言ったそうです。

「お子さんは、お母さんの愛情をほしがっています。」
「そこで、お母さんの愛情を試すために不登校になったのです。」
「そうすれば、お母さんが自分を見てくれることを分かっていたんです。」
「実際、お母さんはお子さんの心配をしていますよね!」

そして、今後の対応についてこう言ったそうです。

「我が儘を言ったときは全てを受け入れてあげて下さい!」
「それによって愛情を試しているんです。」
「お母さんが我が儘を聞いてくれた=愛されていると感じるんです。」
「愛されていると感じると、心のエネルギーが溜まります。」
「当然、心のエネルギーが溜まれば学校に行くようになります。」

小さい頃から子どもを保育園に預けていたお母さんは、自分の子育てを思い返し、更に反省をします。

そして、スクールカウンセラーの言うとおり、子どもの我が儘を全て聞くことにしたのです。

それでは不登校は解決しないのに・・・・。

4.ノートやマンガを買って欲しいという子ども

ある日、不登校の子どもと一緒に買い物をしていると本屋(文房具も売っている)の前で子どもが立ち止まります。

「ねぇ、お母さん!ノートを買ってほしいんだけど・・・。」

子どもの全てを「受け入れる」ように言われていたお母さんは笑顔で答えます。

「いいよ~。どのノートが欲しいの?」

お母さんはノートを2冊、買ってあげたそうです。

数日後、同じように買い物をしていると本屋の前で子どもが立ち止まります。

「ねぇ、お母さん!マンガを買って欲しいんだけど・・・。」

子どもの全てを「受け入れる」ように言われていたお母さんは笑顔で答えます。

「いいよ~。どのマンガが欲しいの?」

お母さんはマンガを2冊、買ってあげたそうです。

5.要求が「文房具→プラモ→ゲーム課金→パソコン→」

しかし、子どもの要求はどんどんエスカレートしていきます。

「プラモデルを買って!」(2千円)
「ゲームを買って!」(8千円)
「ゲーム機を買って!」(3万円)
「スマホを買って!」(7万円)
「アプリに課金して!」(1ヶ月で8万円)
「ゲーミングパソコンを買って!」(50万円)

要求がエスカレートしてきたことが心配になったお母さんは、スクールカウンセラーさんに相談をします。

「良い兆候ですね!」
「様々なことに興味を持ち始めているんです!」
「これは心のエネルギーが溜まってきている証拠です!」
「同時にお母さんの愛情も感じていると思います!」
「欲しいと言ったものは、全て買ってあげて下さい!」
「心のエネルギーが溜まれば、自分から学校に行くようになるでしょう。」

お母さんは、子どものためと思い「貯金」を切り崩して子どもの要求に応えたそうです。

※ この時、お母さんは仕事を辞めていました。

6.「私は奴隷です」と言う母親

子どもが不登校になって1年以上が経過しました。

しかし、子どもが登校する気配はありません。

それどころか1日中、ゲームをして遊んでいます。

この頃には、お母さんと子どもの立場は完全に逆転していました。

「カレーが食べたい!すぐに作って!」

『はい、どうぞ!』

「辛すぎるんだよ!辛くないのをつくれよ!」

『「ごめんね、スグに作り直すね!』

数十分後。

『はい、できたよ!』

「遅いんだよ!もう、カレーの気分じゃなくなった!」
「すぐに宅配ピザを注文して!」

「う、うん・・・・。」

7.あなたの愛は「無償の愛」「純粋な愛」ではない?

スクールカウンセラーの言うとおりにしているのに、子どもの状態は良くなりません。

それどころか不登校の状態は悪化しています。

心配になったお母さんはスクールカウンセラーに相談しました。

「お母さんは『学校に行ってほしい』と思っていますよね?!」
「だから、子どもの要求に応えているんですよね?!」

不登校の子どもに対して「学校に戻って欲しい」と思うのは普通のことですが・・・。

「子どもは純粋です!」
「だから、お母さんの愛情が偽物だと感じているんです!」
「自分の子どもに純粋な愛情を与えられないんですか?」
「何も求めず、無償の愛を与えられないんですか?」
「これでは子どもの心のエネルギーは溜まりません。」
「不登校の状態が悪化しているのはお母さんの愛情の問題です。」

8.スクールカウンセラーが怖い・・・

お母さんは仕事を辞めて、この1年間、子育てをガンバって来ました。

全てはお子さんの不登校を解決するためです。

どんなにツラくても、スクールカウンセラーの言うとおりの対応を続けました。

それにもかかわらず、不登校が悪化しているのは「親の愛情不足」と言われます。

親が「学校に行ってほしい」と思う気持ちは「純粋な愛情」ではないと言われたのです。

この1年間のガンバリや自分の愛情が「無性の愛情」ではないと言われ、お母さんの心が壊れてしまったのでしょう。

お母さんは、その場で泣き崩れてしまったそうです。

その日は、何とか家に帰る事が出来たお母さんですが、帰り道にこのように思ったそうです。

「スクールカウンセラーが怖い・・・。」
「もう、相談にはいけない・・・。」

9.兄を見ていた弟も不登校に・・・

お母さんが、いくらがんばっても子どもの要求はエスカレートするばかりです。

心も体も疲れ果ててしまったお母さんは、寝込むようになってしまいました。

さらには、眠れない日が続いたり、逆にたくさん寝ても疲れが取れなかったりしたそうです。

それでも、お母さんはお子さんの要望に応え続けました。

しかし、そこまでガンバっていたお母さんはさらにツラい体験をします。

それは、次男までもが不登校になってしまったことです。

長男の母親への態度を見てきた次男も要求するようになります。

「ゲームを買ってこい!」
「アプリに課金させろ!」
「お兄ちゃんと同じゲーミングパソコンを買え!」

10.僕だってツラいことがあるのに・・・

不登校の対応で最も大変なのは「不登校の兄や姉」を持つ弟、妹です。

お兄ちゃんやお姉ちゃんが不登校になったのには理由があります。

「クラスでいじめられた。」
「友だちのグループに入ることが出来なかった。」
「先生に何度も何度も怒られた。」
「部活で先輩に嫌がらせをされた。」など

しかし、不登校の兄や姉を持つ弟や妹が不登校になる理由は兄や姉の生活を見ているからです。

「お兄ちゃんは学校に行かなくてズルい!」
「なんでお姉ちゃんは、朝、起きなくていいの?」
「宿題をやっていないのにゲームやスマホで遊んでる!」
「私のスマホも制限を無くしてよ!」
「僕もゲームを自由にやらせて!」

親が「お兄ちゃんやお姉ちゃんがそうしている理由」を伝えても、弟や妹は納得しません。

「私だってツラいことはたくさんあるんだよ!」
「僕だって我慢しているんだ!」
「それなのに、お兄ちゃんはズルい!」
「お姉ちゃんだけが許されるのは何で?」

このように言われると、親は弟、妹の不登校を許さないわけにはいかないのです。

11.子どもの不登校で悩んでいる親は多い!

私は25年間の教員経験と公認心理師の経験から、似たようなお母さんの相談をたくさん受けてきました。

上記の兄弟に対しても、お母さんと一緒に対応や支援を考え実行したことで、完全登校を実現することが出来ました。

(半年程の時間を要しましたが。)

このお母さんの例を紹介したところ、ある先生はこう言いました。

「スクールカウンセラーを信頼しすぎなんだ!」
「自分で考えないから失敗するんだ!」
「子どもを甘やかしすぎなんだ!」

しかし、私はこのような意見に真っ向から反対します。

なぜなら、このお母さんと同じような状態になれば「自分も同じ道を歩んでしまうかもしれない」と思うからです。

12.不登校の相談は不登校を解決したことがある人に!

兄弟の不登校が解決した後に、私はお母さんから不登校初期の話を聞きました。

「スクールカウンセラーさんに相談をする前に、ネットや本で対応を調べました。」
「でも、ネットや本の対応をしても、子どもの状態は変わりませんでした。」
「たくさん褒めたりもしましたし、子どもの意志を尊重もしました。」
「それでも不登校の状態は悪化するばかりです。」

お子さんの将来を大切に思ったお母さんは、様々な対応や支援をしたのです。

それでも、子どもに改善の兆しがなかったため、縋る思いで心理の専門家である「スクールカウンセラー」に相談したのです。

「何をしても上手く行かなかったためスクールカウンセラーさんに相談をしました。」
「スクールカウンセラーさんからは愛情不足と言われました。」
「子どもが小さい頃から仕事をして負い目があったのも事実です。」
「さらに心理の専門家が言うのだから、それが正解なんだろうと思いました。」

兄弟の不登校が解決したお母さんは、最後にこう仰いました。

「少し前までの私は子どもの奴隷でした。」
「でも今は、親、仲間に戻ることが出来ました。」


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ムリです!発達障害なんですよ!ショックだった言葉②

8年後、誰もが知っている大学に合格!

1.ADHDの子どもが不登校に

カウンセラーとしての仕事を始めたとき、不登校の息子さんをもつお母さんからADHDの診断を受けているお子さんの相談をいただきました。

息子さんは小学校5年生で、知能や理解力は平均より少し低い程度です。

ただ、ADHDの特性上、我慢をすることが苦手なため、友だちとのトラブルは多かったようです。

息子さんが登校しぶりを始めた頃、お母さんはスクールカウンセラーに相談をします。

そこで、お母さんは息子さんの対応についてのアドバイス(?)をいただいたのですが・・・。

2.ADHDだから通常学級はムリ!?

母「毎朝、息子が『学校に行きたくない』と言います。」
母「どのように対応すれば良いのでしょうか?」

すると、スクールカウンセラー(以下SC)が答えます。

SC「ムリに学校に来させるのは子どものためになりません。」
SC「子どもの意志を尊重してあげましょう。」

お母さんは息子さんが発達障害の診断を受けていることを伝えます。

SC「息子さんはADHD何ですね!」
SC「それでは通常学級に行きたくないのは当然です。」
SC「特別支援学級に入れることを考えてください。」
SC「息子さんには通常学級はムリなんですよ!」

3.通常学級に行かせたいのは親のエゴ!?

お母さんが今のクラスに登校させたい旨を伝えます。

SC「息子さんは発達障害なんですよ。」
SC「通常学級はムリなんですよ!」
SC「息子さんにとってベストは特別支援学級を選択することです。」
SC「特別支援学級がイヤならフリースクールもありますよ。」
SC「公的なフリースクールである適応指導教室はどうですか?」
SC「とにかく、息子さんには通常学級はムリなんです。」

お母さんが将来のことを考えて通常学級に在籍させたい旨を伝えると・・・。

SC「それは親のエゴです!」
SC「親が『学校に行くべき』と思っているからダメなんです!」
SC「学校なんて行かなくても良いんです!」
SC「通常学級に行くべきという『べき論』をやめて下さい!」
SC「親が変わらなければ、子どもの不登校は解決しません!」

4.みんなと同じや勉強がストレス!?

お母さんは、本人が「みんなと同じクラスに行きたい!」という気持ちを持っている事を伝えます。

SC「みんなと同じクラスがストレスなんです!」
SC「だから、息子さんは『学校に行きたくない』と言うんです!」
SC「勉強もついていけないのでしょう。」
SC「その劣等感がストレスになるんです!」

お母さんは、もう一度、「みんなと同じクラスに行きたい」という子どもの気持ちを伝えます。

SC「息子さんは通常学級が自分の居場所ではないと気づいているんです。」
SC「それでも、親が『学校、学校』と言うのでウソをついているんです。」
SC「本心は学校に行きたくないんです!」
SC「登校をしぶっている事から、その気持ちがウソだと分かりますよね。」

5.勉強をさせたいなら親が教材を作って!?

自分の考えを否定されてショックを受けたお母さんですが、子どもの将来のことを考え、専門家であるSCに家庭での対応を聞きました。

SC「発達障害の本を買って読んで下さい!」
SC「その本を参考にして勉強をやらせて下さい。」
SC「ADHDの子どもは集中力が続きません。」
SC「部屋などに物が多いと気が移ってしまいます。」
SC「勉強部屋を準備したり机に工夫をするのも良いでしょう。」
SC「お子さんに合った教材をお母さんが作って下さい!」
SC「そうすれば勉強もできるようになるでしょう!」

具体的なアドバイスをもらったお母さんは、子どものためにガンバろうと思ったそうです。

6.発達障害なんだから大学なんてムリ!?

最後に、お母さんはこのような質問をします。

母「将来は大学に入って欲しいと思います。」
母「そのためにも高校は全日制高校に進学させたいです。」
母「私がガンバるので特別支援学級ではなくても大丈夫ですよね!」
母「息子にあった問題集を作ってがんばります!」

しかし、スクールカウンセラーは冷たく言い放ちます。

SC「息子さんは発達障害だって分かっていますか?」
SC「大学なんてムリに決まっているでしょう。」
SC「高校にだって行けるか分からないのに。」
SC「お母さんが問題集を作れば、ある程度は理解ができるでしょう。」
SC「しかし、あくまでも『ある程度』なんですよ!」
SC「そこを間違えないで下さいね!」

7.ADHDの本に書いてあったのは・・・

お母さんはADHDの本を買ったり、ネットで対応を調べたりしました。

そこには下記のようなことが書かれています。

① 図や絵など視覚的に勉強できる教材を作る(買う)。

・算数:ケーキの絵を使って分数を意味を理解する。
・国語:漢字の部首は成り立ちと絵で覚える。
・英語:歌の歌詞で基本文法を理解する。など

② 集中できる部屋や机を用意する。

・勉強専用の部屋をつくり、そこには物を置かない。
・机の上には鉛筆と消しゴム、教科書、問題集など必要最低限を置く。
・仕切り板などを使って視界を遮断する。
・机の向きを壁向きにする。など

③ 勉強のスケジュールを決める

・勉強のスケジュールを作り優先順位をハッキリさせる。
・暗記と演習を交互に行う。
・「25分勉強-5分休憩」のポモドーロテクニックを活用する。など

④ 座学以外の勉強を場所を決める。

・通学中に単語や漢字の暗記をする。
・散歩をしながら英語の歌を歌う。
・部屋の中を歩き回って歴史の人物を覚える。など

⑤ 過集中をしたときの対応を決めておく。

・過集中の状態から勉強モードに切り替えるのは困難。
・無理に勉強に戻すとストレスとなる。
・過集中の時はとにかく待つ。など

⑥ 自分で選択させる

・「これをやりなさい!」と親が決めない。
・本人の意志を尊重する。
・いくつかの選択肢を用意して選ばせる。など

8.仕事から帰ってきて深夜まで教材準備をするが

ネットや本には小学校低学年が対象と思われる内容がほとんどでした。

しかし、専門家ではないお母さんはSCに言われたとおり、本やネットを参考に勉強の支援を始めます。

最初に取りかかったのは勉強部屋をつくることでした。

部屋を片付け、机を準備し、物を置かないようにしました。

同時に授業の教材や問題集も自分で準備をしたそうです。

お母さんは、これらの支援を仕事と家事が終わった後、深夜に1人で行ったそうです。

とにかく、お子さんのためにガンバったのです。

子どもと一緒に勉強のスケジュールもたてたそうです。

最初のうちは勉強に取り組み始めたお子さんですが、数日もすると勉強部屋や教材に飽きてしまいます。

(興味のないことは継続できないのもADHDの特徴と言えますが・・・。)

結局、一緒に考えた勉強スケジュールもほとんど達成することが出来ませんでした。

9.もっと子どもに合った教材を作って!?

1ヶ月後、SCが学校に来る日です。

お母さんは、自分で作った教材や一緒に考えたスケジュールを持って、SCに相談に行きます。

それを見たSCはこう言ったそうです。

SC「やる気が出ないのは教材や問題集が合っていないからですよ!」
SC「もっと、しっかりと調べて息子さんに合った教材を作らないと!」

一緒に考えたスケジュールについても注意をされます。

SC「決めた事を中途半端にするのはよくない!」
SC「毎日、親が確認をしたり、一緒にやったりしないと!」
SC「子どもへの愛情があれば時間を作ることができるでしょう。」
SC「仕事と子ども、どっちが大切なんですか?」

10.スクールカウンセラーに相談するのが怖い・・・

仕事、家事、子育て、ADHDの息子への支援を1人で行ってきたお母さんは自分を責めたそうです。

母「私の愛情不足なんだ!
母「他のお母さんはちゃんとやってるんだ!」
母「子どもの不登校は私の愛情不足なんだ!」

さらにこう思ったそうです。

母「もうカウンセラーに相談をするのはやめよう!」
母「どうせ、また、怒られんだから・・・。」
母「カウンセラーが怖い・・・」

11.通常学級のまま不登校解決!

1人で悩んでいたお母さんが知り合いを通じて私の所に来たのは、息子さんが小学校5年生になったばかりの時でした。

お母さんやお父さんは仕事をしているため、私が週に1回のカウンセリングや勉強を行いました。

これにより、息子さんの不登校はスグに解決しましす。

そして、私が支援を始めてから、小学校を卒業するまでの約2年間の欠席は3日だけです。

さらに中学校に上がってからの欠席は0日でした。

12.中学入学後は一緒に勉強!進学校に合格!

不登校が解決してからは、勉強の支援を行いました。

特に予習に力を入れたことで、学校の授業にも落ち着いて参加できるようになったのです。

安定して登校出来るようになり、学校でのトラブルも減ったことで、中学入学と同時に訪問カウンセリングは終了となりました。

しかし、1学期の期末テストの結果が173位/200人だったため、再び訪問カウンセリング(勉強)の依頼をいただくようになります。

一緒に勉強をして、家庭学習を管理したことで、彼は少しずつ順位を上げていきました。

中学3年生の最後のテストでは65位/200人にまで順位を上げることが出来たのです。

そして、その地域で上から3番目の進学校に合格することが出来たのです。

13.誰もが知っている大学に合格!

高校入学と同時に訪問カウンセリングは終わりとなりました。

しかし、高校1年生の夏休み前に彼から連絡があります。

「先生!数学で赤点を取っちゃった!」
「勉強を教えて!」

その後、大学に合格するまでの2年半、私は訪問カウンセリング(勉強)をすることになりました。

訪問カウンセリング(勉強)では、数学、英語、化学、物理、日本史を教えます。

これにより、卒業まで1度も赤点を取らずにすんだのです。

そして、今年の2月。

ついに大学に合格することができたのです。

偏差値が55程度で、名前を言えばみなさんが知っている大学です。

14.あのカウンセラーに報告したい!

お母さんとお父さんは、節目節目でこのように言っていました。

「通常学級のまま、小学校を卒業できた!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「中学では欠席が0日だった!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「公立の進学校に合格できた!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「大学に合格した!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「通常学級はムリ!とカウンセラーに言われた!」
「高校はムリ!とカウンセラーに言われた!」
「大学なんてムリ!とカウンセラーに言われた!」

「どこの学校にいるのか探し出して報告に行きたい!」

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誰も見ていないのに「テストの点を見られた!」と怒る伝説の生徒

誰もテストの点を見ていないのに・・・

1.5教科の点数は全て一桁・・・

中間テストや期末テストでのヤマシンの目標は二桁をとることです。

しかし、最初のテストでは全てのテストで一桁をとってしまいました。

当然、順位は264人中264位です。

「1つでも好きと思える教科をつくりたい。」
「周りと比べれば低い点数でも、ヤマシンが『やった!』と思える点を取らせてあげたい。」
「次のテストでは私の教科を重点的にやらせよう!」

このように考えた私は、テストの1週間前からヤマシンと放課後学習会をすることにしました。

イヤといっても半強制で参加させます。

※ 実際、ヤマシンは「イヤ」と言うどころか「ありがとう」と言ってくれました。

2.二桁を取るための放課後学習会を開催!

1学期の期末テストの1週間前。

私はヤマシンを放課後学習会に誘います。

そこでは、問題集のやり方を教えるとともに、私の教科の基本問題を教えます。

当然ですが1学期の期末テストをつくるのは私です。

ということは、どのような問題がでるのか(出すのか)も、当然、分かっています。

私はヤマシンにテストにでる問題と同じような問題を解かせます。

もちろん、テスト制作者の丁寧な説明つきです。

3.1教科だけ平均点(70点)を取ったらどうしよう?

毎日、放課後学習会を1時間おこなったヤマシンと私は同じ事を思っていました。

「コレならテストで二桁とれる!」

逆に、私はこのような心配をしていました。

「私の教科だけ平均点とかとれちゃったらどうしよう?」
「他が一桁なのに、1つだけ70点とか取っちゃったら不自然だよね?」

『先生がヤマシンをひいきしてる!』

「こう思われたらどうしよう・・・・。」
「ちょっと、やり過ぎだったかな?」

しかし、私の考えは杞憂に終わりました。

なぜなら、ヤマシンは私の教科で8点しか取れなかったからです。

4.くそ~10点は取れると思ったのに!

他の教科が0点~3点であることを考えれば8点は良い点です。

ヤマシン自身も8点を喜びつつも悔しがっていました。

「くそ~!10点は取れると思ったのに!」

私の予想以上にヤマシンは記憶が苦手なようです。

そこで、私は次のテストのときに、もう少し具体的な支援を試すことにしました。

本来であれば「ひいき」と言われてしまいかねませんので、ココだけの内緒にして下さい。

5.「次もがんばるぞ!」と思えるように

2学期の中間テスト1週間前。

恒例の放課後学習会が行われました。

私はヤマシンにこのような気持ちを持って欲しいと思っていました。

「ガンバった!」→「点数が上がった!」→「次もがんばるぞ!」

そして、ココだけの話ですが、テストに出る問題をさりげなく何問か教えました。

「ヤマシン!」
「今日はこの3問を完全に出来るようになろうな!」

この3問の中の1問はテストに出る問題とほとんど同じ問題にしました。

もし、ヤマシンが1週間の放課後学習会の問題を全て完璧にすれば30点は取れるでしょう。

ただ、前回の様子を見ると良くて20点と言うところでしょうか?

※ 平均点が70点程度のテストですのでヤマシンが20点をとっても、それほど平均は変わらないということにして下さい。

6.目標の二桁(10点)達成!

2学期の中間テストが終わりました。

ヤマシンはとても喜んでいます。

なぜならヤマシンは目標であった二桁を達成したのです。

ただ、二桁と言っても10点でしたが・・・。

それでもヤマシンは大喜びです。

私はヤマシンが家に帰る前にお母さんに連絡をします。

そして、10点を取れたことをたくさん褒めてもらいました。

7.勉強の仕方が分かりやる気になってきたヤマシン!

2学期の期末テストの1週間前。

またまた、放課後学習会が始まります。

このときは、同じクラスの勉強が苦手な子も加わりました。

そのため、テストにでる問題を教えるわけにはいきません。

ただ、中間テストで目標だった二桁をとることができたヤマシンは勉強に前向きになっています。

そこではテストに出る問題を教えることはしませんでしたが、問題集の基本問題を何度も解いていました。

勉強の仕方が少し分かってきたようです。

8.テスト返し!正解に×がついている子は持ってきて!

2学期の期末テストが終わりました。

ヤマシンの点数は9点です。

私がテストを返すとヤマシンはとても落ち込んでいました。

テストの解説を終えた私はクラスの子どもたちに声をかけます。

「もし、正解なのに×が付いている場合は持ってきて!」

すると3人の子どもが私のところにやってきます。

「先生!これ正解じゃないですか?」

「あっ、本当だゴメンゴメン!
「はい!○!+1点だね!」

9.やったーー!これで二桁!目標達成!

2人の確認を終えて前を見るとヤマシンがとても嬉しそうな顔で私を見ています。

「先生!先生!これ、正解でしょ!」

「あっ、本当だゴメンゴメン!」
「はい!○!+1点だね!」

私がテストの点数の横に+1と書くと、ヤマシン笑顔になります。

そして、クラス中に聞こえる大きな声で喜びを表現します。

「やったーーーー!」
「+1点ーーーー!」
「コレで二桁ーーーー!」

10.勝手に人のテストを見るなんてひどい!

ヤマシンの喜びの声を聞いたクラスの子がザワつき始めます。

『+1点で二桁?』
『ってことは、さっきまでが9点で今は10点ってこと?』
『ヤマシン、自分の点数バラしてるけど大丈夫?』

すると、ヤマシンと一緒に放課後学習会に参加してる信二くん(仮名)が声をかけます。

「ヤマシンってテスト9点だったの?」
「そして、今、10点になったんでしょ!」

これを聞いたヤマシンは烈火のごとく怒り出します。

「先生!信二くんオレのテストを勝手に見た!」
「人のテストを勝手に見るなんてひどすぎる!」
「先生!信二くんを注意して!怒って!」

11.信二くんは見てないよ!自分で発表したんだよ!

『イヤ、イヤ、イヤ、信二くんは見てないよ!』
『自分で点数を発表してたじゃん!』

私を含め周りの子が同じことを考えたでしょう。

「いや~、信二くんは見てないと思うな~。」

「見たに決まってるじゃん!」
「そうじゃなきゃ、オレが10点だって分かる分けないじゃん!」
「勝手に見たんだよ!」

「ヤマシン、落ち着け!」
「いいか、お前はテストの点が1点、上がっただろ。」
「そして、やったー、これで二桁って言ったよな。」

「うん!言ったよ!」

「ってことはさ、9点が10点になったとしか考えられないじゃん。」

12.はぁ?先生、何を言ってる?意味が分からないんだけど?

みんなにテストの点をバラされて(?)「カッ」となっているヤマシンに、私の説明を理解する余裕はありません。

「二桁なんだから、30点かもしれないじゃん!」
「もしかしたら98点かもしれないじゃん!」
「なんで10点って決めつけるんだよ!」

「落ち着け。+1点になったよね。」
「そして、二桁になったよね。」
「ってことは9点しかありえないでしょ?」
「もし、19点だったら+1点で20点だけど、これで二桁とは言えないよね?」
「だって最初から二桁なんだから。」

するとヤマシンは私に暴言?を吐きます。

「はぁ?先生、何を言ってるの?」
「意味が分からないんだけど!」
「とにかく、信二くんを怒ってよ!」
「人のテストを勝手に見るのはダメなことでしょ!」

13.こらっ!友達のテストを見ちゃダメだぞ!

私は信二くんを見ました。

すると、信二くんは申し訳なさそうな顔で私を見ています。

そのとき、私の頭の中に信二くんの声が聞こえてきました。

『先生、ごめんなさい。』
『僕が悪いんです。ごめんなさい。』

この言葉(?)を聞いた私は信二くんに注意をします。

「信二くん!」
「友だちのテストを勝手に見ちゃダメだぞ!」
「それをみんなに教えちゃダメだぞ!」

これに対して信二くんが答えます。

「ヤマシン。テストを勝手に見てゴメンな!」
「もう2度としないから!許してよ!」

「分かったよ!許すよ!」
「もう2度と勝手に見ないでよ!」

私を含め、クラスの全員が信二くんの対応に涙した瞬間でした。

※ この日の放課後、落ち着いたヤマシンにノートに書いてじっくり説明をすると、自分のミスに気づいてくれました。
※ 自分が勘違いをしていたことに気づいたヤマシンは、スグに信二くんに謝りに行きました。

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宿題を自然に写す事が出来きた伝説の生徒!

宿題の問題集が未提出!その理由は?

※ この記事は境界知能の子をバカにする記事ではありません。
※ 彼は中学の3年間で着実に成長していきます。そして、希望した高校に合格。
※ 特別支援学校の教員を目指すようになります。

1.0点を取らないようにする放課後学習会

7月の初旬。

1学期の期末テストがあります。

私は部活がなくなる一週間前から、ヤマシンと一緒に「放課後学習会」を行いました。

この学習会の目的は「0点を取らないようにする!」ことです。

ヤマシンが最も苦手とする数学には記号問題がありません。

そのため勘が当たって正解する可能性もありません。

実際、中間テストの数学では「0点」をとってしまっています。

今回もまた、数学で「0点」を取ってしまうと、苦手な数学を「嫌い」と思ってしまうでしょう。

苦手な教科があっても良いのですが、嫌いになるのは良くありません。

嫌いになってしまうと、やる気がなくなってしまうからです。

2.努力をして結果がでることで子供に自信が

この放課後学習会にはもう一つの目的がありました。

それは「私の教科で10点を目指す」というものです。

勉強の基本は暗記です。

これは努力でなんとかなるものです。

もちろん、高得点を取ろうとするのであれば、理解力や継続、発信力なども必要になってくるでしょう。

ただ、ヤマシンが目指しているのは「100点満点中の10点」です。

この程度であれば、少しの努力で達成できるはずです。

もし、1学期の期末テストで1つでも「10点以上」が取れたのであれば、それはヤマシンの自信につながることでしょう。

自信がつけば、やる気も増し、その教科を「好き」になってくれます。

「苦手だから嫌い!」ではなく、「苦手でも好き!」という思いになれば、将来、勉強が必要になったときに役に立ちます。

さらには、「やれば出来る」と言う気持ちも大切です。

努力して、それが実を結び、結果を出すことが出来れば、それは子供の自信につながるからです。

3.テスト当日に提出する問題集について

本来の放課後学習会の目的は「0点をとらない」「1つの教科で10点以上をとる」の2つです。

しかし、私は1学期の期末テスト前にヤマシンに教えなければならないことがありました。

それは、提出する問題集についてです。

「ヤマシン!問題集のことなんだけどさ!」

「先生!大丈夫!今回はしっかりやるよ!」
「分からないところは赤で書けばいいんだもんね!」
「大丈夫!任せて!ちゃんと期限を守るよ!」

ヤマシンは1学期の中間テストで学んだことを忠実に行おうとしています。

これは、とても良い事です。

しかし、私が話をしたいのはそこではありません。

→テスト問題集のやり方を教えたら・・・・(問題集編①)

4.全部、赤で書くと写したのがバレバレだと・・・

「あのさ・・・・。えっと・・・・。」
「全部、赤ペンで書くっていうのはどうかと思うんだけどな・・・。」

「えっ?どういうこと?だって、全部、分からないんだよ!」
「分からないところは答えを見て赤で書くんでしょ?」

「いや、あの~、そうなんだけど・・・。」
「全部、赤だと、完全に写しましたってバレバレじゃん。」

「ん?だって、写しているんだからバレていいんじゃないの?」

「そうなんだけど・・・。いかにも写しましただとね・・・・。」
「ちょっとは、ちゃんとやりましたって感じを出した方がいいというか・・・。」

「ん~?先生の言っている意味が分からないな~。」
「で、先生は僕にどうしろって言うの?」

5.自然な答えの写し方を伝授!

教師の私が教えて良いのか今でも考えてしまいますが、私はヤマシンに「自然な答えの写し方」を教えます。

「例えばね。3問は鉛筆で答えを書いて、赤ペンで○をする。」
「次の1問は×をして、赤で答えを書くみたいなのはどうかな?」
「あくまでも自然に、ちゃんとやりました感を出した方がいいと思うんだよね!」

「ん~?先生の言っている意味はよく分からないな~!」
「とにかく、鉛筆で書いて○をする部分を作ればいいんだね!」
「分かった!やってみるよ!」

「お~!分かってくれたか~!良かった良かった!」
「今回は提出期限は守れるかな?」

「大丈夫!やり方も分かったから!」
「ちゃんと期限を守って出すよ!」

6.約束を守り問題集を提出したが・・・・

1学期の期末テスト当日。

ヤマシンは全ての教科の問題集を家でやり教科係に提出をします。

1学期の中間テストと比べると、ヤマシンが成長していることがわかるエピソードです。

放課後。

教科係の子が集めた問題集を持ってきてくれました。

私は係の子にお礼をいい、いの一番にヤマシンの問題集を確認します。

するとそこには・・・・・。

すぐさま、他の教科の問題集も回収します。

するとそこにも・・・・・。

7.○○○×○○○×○○○×の繰り返し

完全に私の説明ミスでした。

ヤマシンがピュアボーイであることを忘れていました。

2回目の問題集提出で、ヤマシンは丁寧に私の言った言葉を守って問題集を行ったのです。

・1~3問が鉛筆書き、赤ペンで○。
・4問目が×をつけ赤で答えを記入。
・3問が鉛筆書き、赤ペンで○。
・4問目が×をつけ赤で答えを記入。
・3問が鉛筆書き、赤ペンで○。
・4問目が×をつけ赤で答えを記入。・・・・・

5教科全ての問題集が規則正しく○○○×○○○×○○○×を繰り返していたのです。

8.説明ミスを反省!今度は丁寧に説明!

2学期の中間テスト1週間前。

前回、私は「自然な答えの写し方」として下記のように説明をしてしまいました。

「3問は鉛筆で答えを書いて赤ペンで○をする。」
「次の1問は×をして赤で答えを書く。」

これは完全に私の説明ミスです。

そこで、私はピュアボーイであるヤマシンの性質を考えて説明をすることにします。

放課後学習会の時間になりました。

私はヤマシンを呼び問題集の話をします。

「ヤマシン、あのさ!」
「前回はちゃんと問題集を出してエラかったね!」
「でもさ、○○○×○○○×○○○×って続いていたから不自然なんだよね!」

「え~、だって先生がそう言ったじゃん!」

「ゴメン!先生が悪かった!」
「だから、今回はこういう感じて答えを写してくれない?」
「1ページに×を2~3個入れる。ただ、×はランダムにしてね!」

「分かった!1ページに×を2~3個入れればいいんだね!」

「そう、でも×はランダムね!」

9.提出された問題集の解答は、また、不自然だった

2学期の中間テスト当日。

ヤマシンは全ての教科の問題集をやってきたようです。

そして、自分で教科係の子に提出をします。

これは1学期の期末テストと同じです。

私はヤマシンの問題集を早く確認したくて仕方がありませんでした。

しかし、ここは我慢です。

放課後。

教科係の子が集めた問題集を持ってきてくれます。

私は係の子にお礼を言い、いの一番にヤマシンの問題集を確認します。

するとそこには・・・・・。

すぐさま、他の教科の問題集も回収します。

するとそこにも・・・・・。

どうやら、今回は「ランダム」という言葉を理解していなかったようです。


10.OJTで自然な答えの写し方を取得

2学期の期末テスト1週間前。

私は問題集の説明をやめました。

もちろん、不自然な問題集を提出させるつもりはありません。

私は「答えの写し方指導」を行います。

「ランダムに」「自然に」をキーワードとして、一緒に答えを写したのです。

いわゆるOJTというやつですね。

一緒にやったことでヤマシンは「ランダム」「自然」という感覚を理解したようです。

その後、ヤマシンは自然な問題集を提出するようになりました。

宿題を提出する習慣が身についたヤマシンは、少しずつですが、答えを写さずに自分でやるようにもなっていくのです。

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特別支援級から通常級へ異動した伝説の生徒!

宿題の問題集が未提出!その理由は?

※ この記事は境界知能の子をバカにする記事ではありません。
※ 彼は中学の3年間で着実に成長していきます。そして、希望した高校に合格。
※ 特別支援学校の教員を目指すようになります。

1.伝説の男「ヤマシン」とはどんな子?

先日、パソコンのデータを整理していると「ヤマシンのママ①」「ヤマシンのママ②」というフォルダを見つけました。

約10年前に私が作ったフォルダのようです。

私が「ヤマシンのママ①」フォルダを開くと、そこには「夏休みのしおり」をスキャンした画像が入っていました。

その画像を忠実に再現したのが下記の画像です。

なぜ、私が「夏休みのしおり」をスキャンして取っておいたのかお分かりいただけたでしょうか?

ヤマシンは保護者のコメントをお母さんになりすまして書いたのです。

もちろん、スグにバレて私に注意をされました。

2.進学を機に特別支援学級から通常級に移動する子

小学校で特別支援学級に在籍していた子供が、中学校に入学するタイミングで通常級(普通級)に移動する例は少なくありません。

※ 通常級や普通級という表現はあまり好きではありませんが、通称として使わせていただきます。

これは、親御さんが高校への進学を考えてのことです。

制度的には特別支援学級から全日制高校に行くことはできます。

もちろん、全日制高校の試験に合格することが条件となります。

地域によっても少し違いがあります。

私が最初に勤務した都道府県では、特別支援学級から全日制高校に進学する子供が毎年、数人いました。

これは、近隣に特別支援学級の子供を受け入れてくれる高校があったからです。

しかし、2つ目に勤務した都道府県では、特別支援学級から全日制高校への進学はできないことになっていました。

実際、受け入れてくれる高校が無かったのも事実です。

3.数々の奇跡を起こした伝説の男の担任に!

私は特別支援学校の免許も持っています。

そのため、生徒指導主事だけでなく特別支援教育コーディネーターの役職をいただいたことが何度もあります。

(免許はもっているのですが特別支援学級や特別支援学校を担当したことはありません。)

同時に「小学校で特別支援学級に在籍しており中学校から通常級に移動する子」の担任も複数回、行ってきました。

その中でも、たくさんの奇跡を起こし、伝説になった男の子がいます。

それが、山口慎一くん(仮名)、通称ヤマシンです。

4.高校への進学を考え中学入学と同時に通常級へ

ヤマシンは小学校の3年生から6年生まで、特別支援学級に在籍していました。

ただ、中学入学と同時に通常級へ移動してきます。

後に「特別支援学級から通常級に移動した」理由をお母さんに聞くと、その経緯を教えて下さいました。

「小学校の先生から通常級を勧められました。」
「このまま、特別支援学級にいると全日制高校に行けなくなると。」
「また、息子の知能レベルでは特別支援学校への入学も難しいと。」
「小学校の先生と相談した結果、中学から通常級に移動することを決めたんです。」

その都道府県では、特別支援学級から全日制高校に進学することができません。

また、知能的に境界線にいるヤマシンは、特別支援学校に入学できない可能性があるのも確かです。

お母さんはヤマシンの将来を考え、少しでも早く通常級になじめるように、高校へ進学できるように移動を決意したそうです。

5.勉強が苦手だからやらなくていい?

ヤマシンは5教科の勉強が苦手です。

特に数学は大の苦手です。(九九を完璧に覚えていないので仕方ありません。)

私は担任として、通常級に適応するための支援を行います。

「無理しなくていいよ~!」
「分からないのに授業を聞くのは辛いよね~!」
「宿題や勉強はしなくていいよ~!」

などとは、一切、言いませんでした。

もちろん、勉強が苦手であることは分かっています。

私は定期的にヤマシンと一緒に放課後学習を行いました。

※ テスト前になると他の子も放課後学習に参加するようになったことで、ヤマシンのコミュニケーション力も高まりました。

授業でも、先生の言っていることが分からないことが多いでしょう。

しかし、私はヤマシンにこう言いいます。

「授業内容が分からなくてもノートはしっかりとるんだよ!」
「先生の話もしっかり目を見て聞くんだよ!」
「まだ、書いてないのに黒板の字を消す先生がいたら教えてね。」
「先生がその先生にお願いをするから。」

6.苦手でも先生の目を見て話を聞く!ノートを取る!

4月から通常級に代わり緊張もあったでしょう。

それと同時にやる気もあったでしょう。

ヤマシンは私の指示をしっかりと守り、授業中に先生の話を熱心に聞いていました。

そして、ガンバってノートも取っていました。

これらは、高校進学を考えたときに必須の内容と言えます。

なぜなら、いくらテストの点数が悪くても、授業をしっかりと聞き、提出物を出していれば通信票に「1」がつくことはないからです。

(中学1、2年生では「1」をつける学校もありますが、中学3年生で「1」をつける学校はほとんどありません。)

7.テスト当日、宿題の問題集が未提出!

5月の終わりには1学期の中間テストが行われました。

先に結果をお伝えすると順位はダントツのビリです。

ただ、何度も言いますが、これは仕方のないことです。

なぜなら小学校時代に5教科の勉強をしてないからです。

しかし、ヤマシンは私に注意をされることをしてしまいました。

それは、中間テストの日に提出しなければならない5教科の問題集を出さなかったことです。

問題集に対しての理想を言えば、最初に自分で解き、分からないところを調べ、それを理解し、同じミスをしないようにすることが大切でしょう。

しかし、勉強が苦手なヤマシンにそこまでやれとは言いません。

ただ、分からないところは配布されている解答を見て赤ペンで書けば良いのです。

それは誰にでもできることです。

それすら、「面倒」と言ってやらないのであれば注意をしなければなりません。

8.問題集をサボった理由は「分からない」?

テスト当日の放課後。

私はヤマシンを呼び出し問題集について聞きます。

「今日は問題集の提出日だよね!どうして出してないんだい?」

「やってないから家に置いてきた!」

『やってないと堂々と言うのか・・・。ここは強く指導をしなければ!』

「何でやらないんだ!提出日は今日だぞ!」

「え?やらなかった理由?全部、分からないから!」
「チョット見たけど、何にも分からなかった!」

どうやら「分からない」を理由にサボったようです。

9.答えは見てはいけないものと思い込んでいたピュアボーイ

私はヤマシンに強い指導をすることを決めます。

「分からなければ、答えを見ればいいだろ!」
「そして、」

私が言いかけると、ヤマシンは大きな声で驚きの声をあげます。

「えっ~!答えを見ていいの?」
「全部できてから○付けをするんじゃないの?」

「い、いや、あ、あの、分からなかったら答えを見るしかないんじゃない?」
「自分で教科書を調べて答えを見つける?」

「ムリムリ!そんなのムリだよ!」

「じゃあ、答えを見て書くしかないでしょ!」
「そうしなきゃ、提出できないでしょ!」

すると、ここでもヤマシンは大きな声で驚きの声をあげます。

「えっ~!答えを見て書いていいの?」
「それってカンニングじゃないの?」

「それなら、自分で教科書を調べて答えを見つける?」

「ムリムリ!そんなのムリだよ!」

10.全部で40ページ!明日までにやってくるよ!

どうやらヤマシンに、悪気はなかったようです。

「分からないところは答えを見て書くんだよ!」
「もちろん、赤ペンを使ってだよ!」
「それなら出来るよね!いつ提出できる?」

ヤマシンは問題集のページ数を数えています。

「全部で40ページか~!じゃあ、明日までにやってくるよ!」

「明日までにできる?」

「分からないところは答えを見て書けばいいんでしょ!それならできるよ!」
「教科書で調べるなら何日も必要だけど・・・。
「答えを見ていいんでしょ?明日までにやってくるよ!」

11.約束を守り5教科の問題集を提出!

翌日。

ヤマシンは笑顔で私の所にきます。

「先生!約束どおりやってきたよ!」
「そんなに時間はかからなかったよ!」
「教科書を調べてやるのはムリだけど、見ていいからすぐに終わったよ!」
「そっか、分からないときは答えを見ていいんだ~。」

約束をしっかり守ったヤマシンを見ていると、私も嬉しくなりました。

私は5教科、全ての問題集をあずかります。

「おつかれさま!1日、遅れだけどいいでしょう!」
「先生から教科の先生に出しておくね!」
「授業のときに『問題集、遅れてすみません』って言うんだよ!」

「うん。分かった!」

ヤマシンが約束を守ってくれたことを嬉しく感じた私は笑顔で職員室に戻ります。

そして、自分の教科の問題集を確認したところ・・・・・。

12.言われた通りにやるピュアボーイ!

私は、すぐに他の教科の問題集も確認します。

そこには、驚きの光景が・・・・。

5教科の問題集40ページが真っ赤に染まっていたのです。

さすがピュアボーイ・ヤマシンです。(笑)


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LD(学習障害)簡易検査チェック表

LD簡易検査チェック表

簡易検査チェック表の使い方

下記のポイントを意識しながら回答ください。

・6カ月以上、この様子が認められる。
・12歳になる前から存在している。
・2人以上で確認する。
 (可能であれば親以外の方にも確認してもらう。)
・「ない」0点、「まれにある」1点、「時々ある」2点、「よくある」3点。
・6つの領域の内、少なくともひとつの領域で該当項目合計が12ポイント以上でLDの疑いあり。

Q1.聞く

・聞き間違いがある。
 (「知った」 「行った」 と聞き間違える。)
・聞きもらしがある。
・個別に言われると聞き取れるが、集団場面では難しい。
・指示の理解が難しい。
・話し合いが難しい。
 (話し合いの流れが理解できず、 ついていけない。)

Q2.話す

・適切な速さで話すことが難しい。
 (たどたどしく話す。 早口である。)
・言葉につまったりする。
・単語を羅列したり、短い文で内容的に乏しい話をする。
・思いつくままに話すなど、筋道の通った話をするのが難しい。
・内容をわかりやすく伝えることが難しい。

Q3.読む

・初めて出てきた語や、普段あまり使わない話などを読み間違える。
・文中の語句や行を抜かしたり、または繰り返し読んだりする。
・音読が遅い。
・勝手読みがある。
 (「いきました」 を 「いました」 と読む。)
・文章の要点を正しく読み取るのが難しい。

Q4.書く

・読みにくい字を書く。
 (字の形や大きさが整っていない。まっすぐに書けない。)
・独特の順でかく。
・漢字の細かい部分を書き間違える。
・句読点が抜けたり、正しく打ったりすることができない。
・限られた量の作文や、決まったパターンの文章しか書けない。

Q5.計算する

・学年相応の数の意味や表し方についての理解が難しい。
 (三千四十七を300047や347と書く。分母の大きい数が値として大きいと思っている。)
・算簡単な計算が暗算でできない。
・答えを得るのにいくつかの手続きを要する問題を解くのが難しい。
 (四則混合の計算や2つの立式を必要とする計算など。)
・学年相応の文章題を解くのが難しい。

Q6.推論する

・学年相応の量を比較することや、量を表す単位を理解することが難しい。
 (長さやカサの比較など。)
・学年相応の図形を描くことが難しい。
 (丸やひし形などの図形の模写 見取り図や展開図など。)
・事物の因果関係を理解することが難しい。
・目的に添って行動を計画し、必要に応じてそれを修正することが難しい。
・早合点や飛躍した考えをする。

簡易検査チェック表の結果について

・「ない」0点、「まれにある」1点、「時々ある」2点、「よくある」3点。
・6つの領域の内、少なくともひとつの領域で該当項目合計が12ポイント以上でLDの疑いあり。

他の神経疾患だけでなく、不安定な環境などでも似たような症状を引き起こす場合があります。

正しい診断をするためには必ず専門機関での検査をお願いいたします。

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ASD(自閉スペクトラム症)簡易検査

ASD簡易検査チェック表

簡易検査チェック表の使い方

下記のポイントを意識しながら回答ください。

・6カ月以上、この様子が認められる。
・12歳になる前から存在している。
・2人以上で確認する。
 (可能であれば親以外の方にも確認してもらう。)
・「いいえ」0点、 「多少」1点、 「はい」2点で集計。
・合計22ポイント以上でASDの疑いあり。

Q1.社会的関係の困難さ

・仲の良い友人がいない。
・他の子どもたちからいじめられることがある。
・友達と仲良くしたいという気持ちはあるけれど、 友達関係をうま関く築けない。
・友達のそばにいるが、一人で遊んでいる。
・球技やゲームをする時、 仲間と協力してプレーすることが考えられない。
・いろいろなことを話すが、その時の状況や相手の感情や立場を理解しない。
・共感性が乏しい。
・周りの人が困惑するようなことも、配慮しないで言ってしまう。

Q2.言葉の発達の遅れ

・独特な声で話すことがある。
・誰かに何かを伝える目的がなくても、場面に関係なく声を出す。
 (例:唇を鳴らす、 咳払い、喉を鳴らす、叫ぶなど。)
・発言葉を組み合わせて、自分だけにしか分からないような造語を作る。
・含みのある言葉の本当の意味が分からず、 表面的に言葉どおりに受け止めてしまう。
・会話の仕方が形式的であり、抑揚なく話したり、間合いが取れなかったりすることがある。

興味や関心が狭く特定のものにこだわる

・特定の物に強いこだわりがあり、限定された興味だけに熱中する。
・意図的でなく、顔や体を動かすことがある。
・独特な表情をしていることがある。
・独特な目つきをすることがある。
・みんなから「○○博士」 「○○教授」 と思われている。
 (例 「歴史博士」「作業車教授」など。)
・他の子どもは興味がないようなことに興味があり、「自分だけの知識世界」を持っている。
・独特な姿勢をしていることがある。
・特定の分野の知識を蓄えているが、丸暗記であり、意味をきちんとは理解していない。
・とても得意なことがある一方で、極端に苦手なものがある。
・ある行動や考えに強くこだわることによって、簡単な日常活動ができなくなることがある。
・自分なりの独特な日課や手順があり、変更や変化を嫌がる。

その他

・大人びている。ませている。
・常識的な判断が難しいことがある。
・動作やジェスチャーがぎこちない。

簡易検査チェック表の結果について

・「いいえ」0点、 「多少」1点、 「はい」2点で集計。
・合計22ポイント以上でASDの疑いあり。

他の神経疾患だけでなく、不安定な環境などでも似たような症状を引き起こす場合があります。

正しい診断をするためには必ず専門機関での検査をお願いいたします。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)チェック表

ADHD簡易検査チェック表

簡易検査チェック表の使い方

下記のポイントを意識しながら回答ください。

・6カ月以上、この様子が認められる。
・12歳になる前から存在している。
・2人以上で確認する。
(可能であれば親以外の方にも確認してもらう。)
・「ない」「時々ある」0点、 「よくある」「非常によくある」1点で集計。
・1つの領域の該当項目合計が6ポイント以上の場合はADHDの疑いあり。

Q1.不注意

・学校での勉強で、細かい所まで注意を払わなかったり、不注意な間違いをしたりする。
・課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
・面と向かって話しかけられているのに、聞いていないように見える。
・指示に従えず、また仕事を最後までやり遂げない。
・学習課題や活動を順序立てて行うことが難しい。

Q2.多動性・衝動性

・集中して努力しなければならない課題 (授業中の勉強や宿題) を避ける。
・学習課題や活動に必要な物をなくしてしまう。
・気が散りやすい。
・日々の活動で忘れっぽい。
・手足をそわそわ動かしたり、着席していてもじもじしたりする。
・授業中や座っているべき時に席を離れてしまう。
・きちんとしていなければならない時に、過度に走り回ったりよじ登ったりする。
・遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
・じっとしていない。 または何かに駆り立てられるように活動する。
・過度にしゃべる。
・質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
・順番を待つのが難しい。
・他の人がしていることをさえぎったり邪魔したりする。

簡易検査チェック表の結果について

・「ない」「時々ある」0点、 「よくある」「非常によくある」1点で集計。
・1つの領域の該当項目合計が6ポイント以上の場合はADHDの疑いあり。

他の神経疾患だけでなく、不安定な環境などでも似たような症状を引き起こす場合があります。

正しい診断をするためには必ず専門機関での検査をお願いいたします。

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特別支援の担任は手のかかる子だけを支援して・・

特別支援免許を持たない担任のせいで・・・

※ 今回の記事は私が多くいただいている相談についてを書いています。
※ 全ての特別支援学級の先生が、このような先生と言っているわけではありません。
※ ただ、記事のような先生がいることも知っていただきたいと思います。

1.特別支援学級や発達障害についての相談が増加

ここ数年、発達障害や特別支援学級の相談が増えています。

※特別支援「学級」であり、特別支援「学校」の相談ではありません。

文部科学省も特別支援学級に在籍する児童・生徒の人数が増加していることをハッキリ示しています。

「人数が増加したから相談が増えているんじゃないの?」

このように思う方もいらっしゃるでしょう。

ただ、私はいただいた相談内容から、少し違う印象を持っています。

特別支援学級に在籍する児童・生徒が増えたから、相談が増えているわけではないのです。

2.中学卒業後を見据えた相談

発達障害や特別支援学級についての相談は、大きく分けて2つに分けることができます。

① 中学卒業後の進路をどうすればいいか?
② 特別支援学級の対応について。

①の「中学卒業後の進路」に関しては、中学入学前10~12月や中学2年生の10月~12月に多くいただく相談です。

都道府県によっては、特別支援学級からは特別支援学校にしか進学できない地域もあります。

そのため、中学卒業後の進路を考えている親御さんからの相談が寄せられるのです。

「中学校1年生から通常級に入れたほうがいいのでしょうか?」
「全日制高校に進学するために中3から、通常級に入れようと思うのですが?」
「どのような支援が必要でしょうか?」など

3.特別支援学級の対応について相談が寄せられる!

②の「特別支援学級の対応について」の相談が増えるのは、2学期や3学期の三者面談後が多いようです。

三者面談で先生から聞く話と、子どもが家でする話が違っていいることがキッカケで、親御さんは、学校の対応や支援に疑問をもつのです。

ただ、どのような対応が正しいのか、どのような支援をすれば良いかが分からないため、相談を下さるようです。

実は①と②には下記の共通点があるように感じています。

「お子さんが大人しいタイプや我慢をするタイプ。」
「困りごとや悩み事を先生に話せない。」
「同じクラスに、手のかかる子どもがいる。」

4.突然、出来なくなった?急に泣き出した?

「先生から○○が出来ないと言われました。」
「クラスで、突然、泣き出したと言われました。」
「いつもは、静かに課題をしているのですが・・・。」
「出来るはずの問題が出来ていません。」など

相談を下さった親御さんたちが三者面談で言われた言葉です。

しかし、少し前まで出来ていた課題や問題が、突然、出来なくなるわけがありません。

突然、泣き出したのにも理由があるでしょう。

静かに課題に取り組んでいた子が、急に取り組まなくなることもありません。

教師から見て「突然」や「急に」でも、子どもにとっては「必然」や「少しずつ」のはずです。

5.先生は手のかかる子の対応で精一杯

「同じクラスに手のかかる子がいるんです。」
「授業中に教室から出たり、やりたくないと暴れたり・・・。」
「逆にうちの子は、手のかからない真面目な子と言われていました。」

これも、相談をいただいたお母さん方から多く聞く話です。

これらの全ての内容を合わせていくと、相談を下さったお母さん方の子どもは下記のような状態であったと想像ができます。

「先生に相談したいけど・・・。」
「先生はAさん(手のかかる子)のことで忙しそう。」
「相談はできないな~。」

「この問題はどうやればいいんだろ?」
「でも、先生はAさんのところか~。」
「質問できないな~。」

「Aさんがうるさくて集中できない・・・。」
「でも、我慢をしなきゃ・・・。」
「もうダメだ~。我慢できない・・・。(涙)」

6.特別支援教育への偏見が無くなってきている

発達障害と言う言葉が広がり、特別支援学級に対しての差別や偏見が無くなってきていることは良いことです。

私が教員になった20年前は、子どものためを思い特別支援学級(当時は特殊学級)を進めた先生が親御さんから罵声を浴びている場面を何度もみたことがあります。

「うちの子は××いというのか!」
「馬鹿にするのもいい加減にしろ!」
「あんな××いと同じクラスにできるか!」
「ふざけるな!」

まだまだ、年配の方には差別や偏見を持っているかたもいらっしゃいます。

ただ、親御さんたちが、お子さんの成長のために「特別支援学級」を1つの選択肢と思ってくださるようになったのはとても良い事だと思います。

7.個別の教育支援計画や指導計画は大切!

私は「特別支援学校の教員免許」と「公認心理師の資格」を持っています。

また、「特別支援教育コーディネーター」という役職を何回も勤めさせていただきました。

残念ながら、特別支援学校や特別支援学級の担任をすることはありませんでしたが。

私は子どもたちの成長のため「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を作成することは大切だと思っています。

なぜなら、「個別の教育支援計画」により、支援者(先生など)は長期的な視野を得ることができ、「個別の指導計画」により、支援者(先生など)は具体的な支援や対応について知ることができるからです。

8.初めて特別支援学級担任に!先輩に相談出来てる?

特別支援学級や特別支援学校の教員は、必ずしも「特別支援学校の教員免許」を持っている必要はありません。

教育委員会から臨時免許を発行してもらえるので「特別支援学校の免許」がなくても、担任をすることができるのです。

また、最近は新規採用教員は10年以内に、特別支援学級や特別支援学校を経験することを義務(推奨)している都道府県もあります。

そのため、知識や経験がなく特別支援学級の担任となる先生が増えています。

誰しもが「初めて」を経験するものです。

当然、初めての先生は、分からないことがあれば先輩に聞いて欲しいですし、先輩も自分の技術を後輩に教えて欲しいと思います。

ただ、仕事が多忙の先生方の中には、質問する時間も無い先生や答える余裕が無い先生もいます。

相談を下さったお母さんの子どもたちと同じような状態が学校の中にもあるのです。

9.手のかかる子もかからない子も公平に!

特別支援学級であろうと、通常級であろうと、手のかかる子はいるものです。

当然ですが、担任の先生たちは、その子の対応で手一杯になることもあるでしょう。

でも、クラスには他の子もいるんです。

イヤな事があったり、ツラいことがあっても我慢している子もいるんです。

私も教員時代に手のかかる子を、たくさん担任してきました。

深夜に警察から呼び出しをうけ、迎えに行ったことが何回あるか。

(そんなに昔の話ではないですよ。)

もちろん、手をかけた子なので、思い出もたくさんあります。

だからと言って、手のかからない子の支援をおろそかにしたことはありません。

平等ではなくても、公平に接するように意識をしてきました。

10.相談しやすい雰囲気をつくって!

私はクラスでこのように言っていました。

「みんなもイヤな事たくさんあるよね!」
「それでも、ちゃんと学校にきて、普通に授業を受けているんだよね!」
「それって本当にエラいことなんだよ!」
「そんなみんなが大好きだよ!」

「何か困ったことや気になることがあったら声をかけてね!」
「先生が気になったときも声をかけるからね!」
「忙しそうにしていても気にしないで!」
「いつでも相談にのるからね!」

こうは言っても、相談を躊躇する子もいます。

私は大人しくて、真面目で、我慢をしやすい子には、コチラから積極的に声をかけるようにしていました。

11.平等で無くても公平な支援を

特別支援学級には、本当に手のかかる子がいるのは分かっています。

それでも、先生方には「公平」な支援をしていただきたいと思います。

手のかかる子に9の支援をして、大人しい子に1の支援でもいいと思います。

その1が、その子にとって必要な支援だからです。

必ずしも同じ量の支援をする必要はないでしょう。

ただ、このように思って、支援をしないことだけはないようにしていただきたいと思います。

「あの子は手がかからない。」
「放っておいても自分でやる。」
「課題を渡せばOK!」

違うんです!

子どもはそう見えるようにガンバっているんです!

我慢をしているんです!

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